甲斐犬愛護会の理念
甲斐犬愛護会は、国の天然記念物「甲斐犬」の単犬種保存団体です。
歴史的にも単独犬としての歩みは日本犬の中でも独自であり、その本質の保存に努めております。
昭和9年に国より天然記念物の指定を受け、会の発足時より派手な宣伝もなく、営利団体でなく、展覧会を重点に犬をつくることなく、古来より伝わる原種をよりよく愛護するのが第一目的であり、その名の通り甲斐犬愛護の団体です。
単独犬種としては日本最多の展覧会開催数を誇ります。
甲斐犬愛護会のあゆみ
昭和4年3月
日本犬をこよなく愛する検察官・安達太助氏、甲府区裁判所検事として着任。
昭和6年早春
安達検事、出勤途次に虎毛の日本犬の疾走を見る。
昭和6年8月
安達氏、山梨県中巨摩郡芦安村の虎毛犬を調査。
昭和6年11月3日
安達氏、有志と共に甲斐日本犬愛護会を組織、会長に推される(本会の創立)。
昭和7年3月
安達氏、千葉へ転任。
今井新造氏(当時山梨県議会議員、後に国会議員)が会長に就任。
昭和7年4月
第1回展覧会を甲府市桜町(現・中央4丁目)おふどう呉服店敷地で開催。
出陳犬45頭。
昭和7年5月
日本犬保存会の斎藤弘吉理事が甲斐日本犬調査に山梨県来訪。
昭和7年11月
東京・銀座松屋で開催の第1回日本犬展に甲斐犬17頭を出陳。
文部省(現・文部科学省)天然記念物調査委員の鏑木外岐雄氏から称賛を受ける。
昭和8年3月
安達氏の起草により、文部省(現・文部科学省)に天然記念物指定申請。
昭和9年1月
「甲斐犬」の名称で文部省(現・文部科学省)の天然記念物告示。
昭和9年4月
犬籍登録を開始、32頭を登録。
昭和10年2月
北白川宮が山梨県へお成り、甲斐犬を鑑賞される。
本会より甲斐犬1頭を献上。
昭和12年2月
文部省(現・文部科学省)天然記念物指定の秋田犬、甲斐犬、紀州犬、越の犬にメダル(優良日本犬章)交付を決定。
昭和15年
戦費調達のため、1頭10円以上の犬猫に10%課税、飼育者には県税として畜犬税(年5円)が課税されたが、天然記念物指定証明犬は免税とされた。
昭和18年3月
会報第20号を発行、以後、戦況金箔により中断。
昭和19年3月
困難を克服して第12回展開催、これが戦中最後の展覧会となる。
昭和20年7月6日
甲府大空襲により甲斐犬愛護会本部焼失。
昭和22年11月
今井氏の国会活動多忙のため、寺田七男氏が会長に就任。
戦後初の第13回展を開催。
犬籍登録も再開。
昭和24年7月
第21号により会報発行再開。
昭和25年1月
10頭の甲斐犬、親善動物交換で米国ソルトレーク市ホーグル動物園へ向かう。
昭和28年
春季第19回展、秋季第20回展を開催、以後年2回の開催となる。
昭和37年
早川源一氏所有の黒号が天然記念物指定。
同犬の剥製は後に国立科学博物館に展示される。
昭和43年11月
第50回展を開催。
昭和52年4月
第65回展、総合優良犬制度を設け、大優勝旗で顕彰開始。
昭和54年11月
第70回展を富士川小学校にて開催。
出陳犬80頭、出陳者に記念品を贈呈。
昭和57年11月
前年9月死去の寺田七男氏の功を讃え、牝の総合優良犬に寺田記念杯による顕彰を開始。
平成元年10月
第90回展を琢美小学校跡地にて開催。
出陳犬63頭、出陳者に記念品を贈呈。
平成2年4月
第91回展。
未成犬と成犬の間に壮犬の部を設ける。
平成6年10月
第100回展を小瀬スポーツ公園にて開催。
出陳犬136頭、出陳者に記念品を贈呈。
柳沢琢郎氏、萩本参吾氏の永年功労を讃える。
平成7年10月
第100回展を記念して「跳べよ甲斐犬」を上梓。
平成11年10月
第111回展を韮崎市釜無川(旧富士川)河川公園広場にて開催。
出陳107頭、出陳者に記念品を贈呈。
平成12年10月
会報100号を発行。
平成17年10月
天然記念物指定70周年記念第120回展を釜無川河川公園広場にて開催。
出陳137頭、出陳者に記念品を贈呈。
平成18年4月
第123回展を小瀬スポーツ公園にて開催。
小瀬スポーツ公園での開催は第100回展以来12年ぶり。
出陳犬135頭。
平成20年4月
第127回展を釜無川河川公園広場にて開催。
本大会よりチャレンジ権制実施。
出陳127頭、総合優良犬の部出陳6頭(牡2頭、牝4頭)。
令和元年10月
第150回展を南アルプス市との共催で南アルプス市櫛形総合公園にて開催。
出陳178頭。
南アルプス市商工会からの出店や県内のゆるキャラ参加もあり、一般来場者も多数。
令和2年春以降
新型コロナウィルス感染症の感染拡大の影響で、第151回展の中止が開催直前に決定、以後、令和2年秋、令和3年春・秋、令和4年春の展覧会が中止。
令和4年10月30日
第152回展覧会をアイメッセ山梨にて開催。
新型コロナウィルス感染症対策として事前の来場者登録などを行った上での3年ぶりの開催。
会場の都合により、審査部門を統合・出陳申込数制限・参考犬披露なしなどの措置を要した。
出陳138頭。